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サンディエゴから日本への帰国体験記~オミクロン株の出現と強制隔離~

12月3日にサンディエゴでの短期留学を終え、12月4日に無事に帰国することができました。

帰国の一週間前までは、新型コロナウイルスの感染状況も落ち着いたため、すんなり帰宅して10日間の短縮隔離を目指せばよいと考えていました。

ところが、オミクロン株の出現により、なんと帰国日の12月4日当日から、3日間の強制隔離が適用されてしまいました。

とはいえ人生で滅多にない経験だと思いますし、これから帰国する方もいると思うので、ここに情報と経験をまとめようと思います。

なお、この情報は202年12月3日現在となります。

新型コロナウイルス陰性証明書の準備

陰性証明書の必要要件について

海外から帰国される方はもうご存じと思いますが、新型コロナウイルスの陰性証明書については、出国前72時間以内に指定の方法で検体採取し、指定の方法で検査され、指定のフォーマットで記載されたものが必ず必要になります。

詳しくは厚生労働省の説明をよくご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00248.html

日本への入国の要件に合う検査のできる検査機関を探すところからまず始まりますが、私がポイントだと感じたのは以下の4点。

  1. 検査方法
  2. 検体採取方法
  3. 検査にかかる時間
  4. 陰性証明書のフォーマット

「1」の検査方法について、入国要件に該当するものとして複数の検査方法がありますが、実質的にRT-PCR法一択となります。それ以外の検査方法を行っている検査機関は、サンディエゴではほとんど見つけられませんでした。各検査機関は、「RT-PCR for travel」のように旅行者向けのパッケージをオファーしているので見つけやすいでしょう。

「2」の検体採取方法ですが、私はこれに最も苦労しました。RT-PCR法での検査はほとんどの検査機関で行っていますが、その大部分の検体採取方法が「Nasal swab」となっており、日本への入国要件を満たしません。「旅行者向け」と表示されていても、ここが問題となる可能性が高いので、メールや電話で具体的に陰性証明書にどのように記載されるのかを確認した方がよいです。

「3」の検査にかかる時間ですが、私が見つけた検査プランでは48時間、24時間、8時間、6時間、1時間などがあり、迅速に結果が出るものほど価格が高い傾向がありました。検査機関によっては複数の選択肢を選ぶことができます。

「4」の陰性証明書のフォーマットですが、厚生労働省指定のフォーマットで出してくれるのであれば何も問題はないものの、検査機関によっては指定のフォーマットで出だしてくれないところもあります。それでも必要事項が漏れなく記載されていれば入国可能なため、メールや電話で日本の帰国要件に適合しているか念押しで確認するとよいでしょう。

なお、その他検討事項として、検査には予約が必要ですが、私が見つけた検査機関では予約時間はだいたい9:00AM~4:00PMごろとなっており、即日結果をもらうためには午前中か午後早い時間までに検査を受ける必要がありました。

私の例

私は帰国日の前々日まで予定があったため、帰国日前日の当日中に結果をもらうことが必須でした。まずは日本の旅行会社や航空会社のHPで紹介されている検査機関をあたることにしました。IACE TRAVELさんのHPが非常にわかりやすかったです。

https://www.iace-usa.com/ja/pcr_test

https://www.iace-usa.com/pcr_test/facilities

特にこちらで紹介されているサンディエゴの検査機関は、価格もお手頃で、日本への入国要件を満たしていることが保証されている安心感もあり、魅力的でした。

しかし、予約した後になって、当日中に結果の得られる迅速テストは、私の希望日には行われていないという連絡を受けたため、キャンセルしました。アメリカではよくあることです。

そこで、ネットで「covid test travel nasopharyngeal」などと検索してヒットした「WeTestU」という検査機関を利用しました。

https://www.wetestu.com/?gclid=CjwKCAiAhreNBhAYEiwAFGGKPI7uAAwLGEVd4pfE_Ub8IfCtb3RHQLIIoJWKqneS8-RWsiW7KazKoRoCCvEQAvD_BwE

この検査機関は価格は安くはないものの、即日結果が出る、厚生労働省指定のフォーマットで検査結果をもらえる、という安心感が決め手でした。ちなみに価格は8時間で結果の出る検査で$280ほどでした。48時間で結果が出る検査だと$100程度だったと思います。

陰性証明書は印刷する必要がある!

繰り返しますが、陰性証明書は原則として印刷する必要があります!これはあくまで原則ですが、面倒ごとは避けるに限ります。私の場合は、印刷トラブルで一部の印刷が欠けていたため、チェックインカウンターで再印刷をしてもらうことで事なきを得ましたが、空港職員の方によってどのような対応を取られるかわかりません。

印刷は、滞在ホテルで頼むか、Fedex店舗の無人プリンター(日本のコンビニにあるようなもの)を使用して印刷しましょう。くれぐれも、空港職員が親切に対応してくれることを期待しないように。全く別の話ですが、私はオーランド空港で一度それを期待してひどい目にあいました。

陰性証明書はどれくらいしっかりと確認されるのか?

Twitterやブログでは、陰性証明書はあまりしっかりと確認されなかったといったコメントや、明らかに検体採取方法が適合していないと思われる検査で得た陰性証明書で入国できている方もいるようです。しかし、現地で知り合った日本人の方によると、検体採取方法や印刷の不備で帰国便に乗れなかった方が実際に何名かいらっしゃるようです。また、後述しますが私の場合も陰性証明書をチェックインカウンターでダブルチェックされましたので、甘く見ない方がよいでしょう。特に、現在はオミクロン株の出現で水際対策が引き締められている状況なので、このブログも含めて、人の言うことを鵜吞みにしたり人任せにせず、ご自身で厚生労働省のHPを熟読することをお勧めします。

出国前に用意しておいた方がよいもの

以下のものは出国時には必要ないものの、あらかじめ用意しておくと後の帰国の流れがスムーズになります。

  • 質問票 

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00251.html

  • 誓約書

https://www.mhlw.go.jp/content/000836303.pdf

誓約書は私の場合(JL65便)では機内で配布されました。ご自身で用意する場合は最新版であることを確認するようにしましょう。

帰国当日~入国~隔離までの流れ

注意点

注意点についてあらかじめ書いておきますが、まず降機から隔離ホテル入所まで非常に長時間(私の場合8時間以上)かかるうえに、飲食をするチャンスがほとんどない恐れがあります。私がこの間に飲食できたのは、ホテルへのバス待ち時間のわずかな間だけです。ですので、できるだけ機内でお腹を満たしておくことをお勧めします。

チェックイン~搭乗

航空機への搭乗までは、普段の国際線の流れとほぼ変わりませんでした。一部違ったのは、チェックインカウンターで手荷物を預ける際に、陰性証明書の確認を空港職員の方2人で確認されたことくらいです。また、私の場合(JL65便)では、搭乗直後に上述した誓約書が配布されました。誓約書には税関申告書も挟まっていました。

降機~検査結果受領

降機の際は、まず乗り継ぎの方から案内され、帰国の方はしばらく機内で座ったまま待機するよう案内されます。

その後、職員の方の案内で降機しますが、その後は職員の方の後ろをついていき、指示に従いながら集団で移動することを求められます。

移動後は、各帰国便ごとに指定エリアに案内され、各自椅子に座って検査受付を待つことになります。私はここで約1時間半待つことになりました。

ようやく受付が開始されると、必要書類を提出し、唾液による検査に進みます。検体採取後に検査番号と待機場所での座席番号を受け取り、待機エリアの指定座席に座ってひたすら待つことになります。私の場合はここで検査結果受領までに2時間以上待つことになりました。

検査結果受領~隔離ホテル入所

検査結果受領した後は、手荷物受取場所で荷物を受け取り、税関を通過します。ロビーに進むと係りの方に待つように言われます。そこからバス乗り場に集団で移動してバスを待つことになりますが、私の場合はバスが来るまで30分ほど待ちました。

行先のホテルはここで初めて判明することになります。成田空港だからと言って成田周辺になるとは限らないことは知っていましたが、私の場合はなんと横浜のアパホテルでした。成田空港からは1時間半です。

そしてホテルには到着したものの、前に到着したバスがならんでおり、さらに一人ひとり降りて入所手続きを行っているため、ひたすら時間がかかります。私の場合はホテル到着後さらにバス内で1時間半待つことになりました。

ようやく入所できた頃には、時計は深夜1時を回っていました。もう待ち疲れてへとへとです。このころには帰国者も、職員の方も深夜テンションで若干ハイになっていて、妙な一体感がありました。

隔離ホテルでの生活

隔離ホテルでは部屋から出られないため、部屋でひたすら暇をつぶす生活となります。嬉しい誤算だったのは、配布されるお弁当のクオリティが思ったよりも高かったことです。とはいえ、独房生活の楽しみはこれくらいしかありません。

私の部屋は高層階にもかかわらず、部屋が内側で窓から見える景色が「一面の壁」であったため、さらに独房感がありました。

ところで、配布される食事を放送とともに受け取って食べては暇をつぶすという狭い空間での生活は、なんだか海洋調査中に嵐で何もできなくなったときに似ています。

隔離ホテル退所~帰宅

退所日は朝7時前頃に検査キットが配布され、部屋で唾液を採取した後に回収担当者の方に手渡すことになります。なお、検査結果が陰性だったとしても、隔離ホテルから直接帰宅することは許可されていません。成田からの人は成田へ、羽田からの人は羽田へ、バスで再度戻る必要があり、そこで初めて帰宅が許されます。

7時ころに唾液を採取して回収後、14時半ころに退所の連絡を受けました。退所時は入所時と打って変わって即バスに乗り込み即出発でした。

帰宅後

帰宅後もスマートフォンのアプリにいきなり通知が来て現在地確認、体調チェック、ビデオ通話が行われるため気が抜けません。

まとめ

今回の留学では最後の最後で貴重な経験をすることができました。そして、あのような複雑なオペレーションを深夜までずーっと忙しくやっていただいているスタッフの方には本当に感謝です。ただ一方で、日本は紙主体の手続きを、アプリ等を駆使した電子手続きに一本化できるといいのになと思います。